始まりは農産物と水産物北海道から九州まで届けていた
藤栄輸送株式会社の設立は1995年に遡る。代表取締役の齊藤善之氏は、輸送企業でドライバーと配車を経験された後に独立。当時は好景気に支えられ、北海道から九州という長距離をルートに、主に農産物や水産物を取り扱っていた。しかし、その道は決して平坦ではなかったと齊藤社長は振り返る。
「北海道の海が汚染され、地球温暖化による水温上昇の影響もあり、水産物の主力だったイカの漁獲量が、2005年くらいから年々減っていきました。うちとしても、方向転換して新しい荷主様を探さざるを得なかった。でも、そこで巡り合わせがあったんです」


- 会社名
- 藤栄輸送株式会社
- 所在地
- 北海道函館市浅野町2番6号
- 設立年月日
- 1995年3月
- 代表者
- 代表取締役 齊藤 善之
- 従業員数
- 46名
- 保有車両台数
- 43台
の運用方法
- 導入時期
- 2016年
- 運行経路
- 北海道、関東
- 乗務状況
- 固定
トーエイのスピード感で荷主様との約束を果たしていく
2009年当時、同社は茨城県に営業所を構えていた。そこで全国農業協同組合連合会(全農)との出会いがあったのだ。その後、東日本大震災時に「トーエイのスピード感」が評価され、両者の関係はさらに深まったという。
「震災前は陸路で茨城から札幌に毎日届いていた荷物が、震災後は海路で1週間経っても10日経っても届かない。震災で港も被害を受けたのでフェリーが着けない状態で、関東の生産者も北海道の消費者も困っていました。そこをうちはトラックで何とか東北地方を走り抜け、出荷から次の日に届けたんです。こうして『トーエイだったらやってくれる』という噂が口コミで一気に広がり、札幌から旭川、函館、小樽、苫小牧、帯広、北見、釧路と北海道の主要都市から仕事をいただくようになりました。当初は日に2、3便だったのが、協力会社にも依頼して5倍くらいにまで増便しました。事務所の人間も地方に派遣し、残っているのは自分と経理だけという時期もあったくらいです」
しかし、3.11を機に特別なことは何もしていない、当たり前のことを当たり前にしただけだと齊藤社長は続ける。
「スピード感とは、荷主様の要求や問い合わせに対して迅速に対応するということ。時間も品質も決められたことはきちんと守り、荷主様との約束を果たしていく。何よりも信用が第一なんです」
現在では乳製品、食肉、冷凍食品など、時期に左右されることなく365日安定的な稼動を確保できる食品輸送にシフト。北海道から関東へ、毎日の食を届けている。



働き方改革などを見据え「MIMAMORI」で業務効率化

同社が「MIMAMORI」を導入したのは2016年。働き方改革など時代的な流れもあり、効率的な運行管理システムとして代替全車に搭載したという。輸送課課長の齊藤龍太郎氏にお話を伺った。
「『運転日報』はドライバーにとても好評です。何しろうちは長距離運行ですから、事務所に戻ってから日報を書くのは酷ですよね。それが運行中の簡単なボタン操作で出来ちゃうんですから、その労苦から解放されてドライバーも喜んでいます。他にも、日報では安全・省燃費運転の度合いを点数で確認できますが、『省燃費運転レポート』も活用してドライバーの教育を効率的に行なっています。おかげでグリーン経営の認証取得にもつながりました。
また、労務管理機能も業務効率化に役立っています。『月次勤務状況』ではドライバーごとの超過拘束時間が一目でわかりますから、それを見ながら運行計画を組み立て直しています。以前は拘束時間の計算に何時間もかかっていたのが、今では自動的に集計できるようになりましたから、運行管理者としての負担もかなり軽減されました」

ところで、北海道の事務所にいる齊藤課長としては、遠く関東での道路交通状況や天候が気になるところ。「VICS情報」や「降水情報」を有効に活用しているそうだ。首都高の渋滞情報や雨雲の動きを見ながら、随時ドライバーと連絡をとっているという。
「MIMAMORI」で荷主様にスピード対応
北海道から関東までの長距離を、温度管理車で運ぶ同社にとって、車両が「今どこ」を走っていて、庫内温度が「適温」なのかを知ることはとても重要だ。齊藤課長は続ける。
「私のデスクの後ろに大きなモニターがありまして、車両の現在位置を地図上に映し出しています。荷主様から急な問い合わせがあった際、『車両位置お知らせサービス』のおかげでドライバーに確認しなくても、あとどれくらいで荷物を届けられるかを瞬時に答えられるんです。
また、特にうちは冷凍車で牛乳や野菜を運んでいますから、『温度お知らせサービス』は欠かせません。先述の大型モニターで庫内温度を確認できる他、万一積荷事故が発生した際の、荷主様からの問い合わせにも即答できるようになりました。到着後の荷物が溶けてしまっていた場合、運行中に溶けたのか、あるいは荷卸し後に倉庫で溶けたのか、だとしたら運行中の庫内温度は何度だったのか、こうした問い合わせが荷主様から来るんです。これまではドライバーが事務所に戻ってからデータを確認して報告していましたが、長距離運行ゆえにどうしてもタイムラグがありました。今では運行終了後すぐにドライバーの帰社を待つことなく、運行中の『温度グラフ』を出力できるようになりました」
最後に、交通事故も積荷事故もすべての事故をなくすこと。それが昔も今も変わらない目標だと齊藤社長は語られた。これからも「トーエイのスピード感」に遅れることなく、「MIMAMORI」は支えていかなくてはならない。

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