いすゞ自動車(株)はこのほど、大型トラックから燃料消費量をはじめとする様々な運行データを抽出し、解析・診断を行うことにより最適運行を提案する運行診断システム 「みまもりくん」を開発した。このシステムはいすゞ大型トラック「ギガ」シリーズの2000年モデル以降に対応可能で、 2002年1月から発売を開始する予定である。
現在日本のトラック輸送業界は、不況の長期化という厳しい経営環境の下で、コストの削減 が緊急課題となっており、中でも燃費低減と安全運行が最重要課題となっている。
このような状況下でいすゞは、個々の車両に蓄積した運行データを抽出・分析することで、運行形態に合った運転操作、省燃費運転を、運行管理者やドライバーに提案する運行診断システム「みまもりくん」を開発した。このシステムは、ドライバーの各種運転操作や、燃料の噴射量などの情報を「みまもりユニット」に記録し、そのデータを定期的にいすゞで解析・診断し、結果をユーザーに「みまもりレポート」として提供するとともに、運行管理のアドバイスを行うシステムである。
「みまもりくん」の導入による効果は次のとおり。
- 1燃料費削減のメリット
- 燃費を左右する運転操作が車両別に明確となるため、個々のドライバーに効果的な省燃費運転をアドバイスすることができる。
- 省燃費を促進する運転方法を数値化して評価するので、より具体的なドライバー指導ができる。
- 2安全運転上のメリット
- 急激な車速の変化や急ブレーキの頻度などがレポートにて具体的にわかるため、安全運行のための改善すべき項目が明確になるとともに、 積み荷を保護する丁寧な運転の促進につながる。
- 3整備費削減のメリット
- レポートに沿った省燃費運転を実施することにより 車両への負荷が減少し、車両寿命の長期化及び修理コストの削減につながる。
いすゞは 「高効率輸送」を実現するトラックや、運行管理システムなど、物流にかかわるトータルコスト削減につながる商品を開発し、市場に投入してきた。 今後も、物流に関わるハード、ソフトの両視点から 事業者のコスト削減に貢献する商品を開発し、提案してゆく。
「みまもりくん」 ネーミングの由来
車両運行状況を コンピューターが 見守るシステムなので
「みまもりくん」と命名。
みまもりシステムの流れ
エンジンを制御しているコンピュータの情報を記録する新開発のみまもりユニットを車両に
取り付け、その運転操作情報をいすゞが解析・診断し お客様にレポートを提供する。

「みまもりユニット」が記録する運転操作情報
- 1走行区分別の車速
一般走行区分・高速走行区分別に 平均速度、最高速度、平均燃費を記録する。
- 2アクセル踏み込み量の変化
一般走行区分・高速走行区分別に アクセル踏み込み量の変化を記録する。
- 3ブレーキ減速G
ブレーキ減速Gを記録する。
- 4アイドリング時間
アイドリング時間と アイドリング燃料消費量を記録する。
- 5各ギア段の使用頻度
一般走行区分・高速走行区分別に 各ギア段の使用頻度を記録する。
- 6シフトアップ時のエンジン回転数評価
シフトアップする際のエンジン回転数を記録する。
これらの運転操作情報をいすゞが解析し、走行データをユーザーに提供するとともに、 データを総合的に診断し、どのように走行すれば 燃費が改善するか、より安全な配送が可能となるか、などの提案を行う。
<目標契約数>200件/年
<販売予定価格>(消費税は含まず)
契約時から6ヶ月間 (基本契約料 + 6レポート) 50,000円/台
以後1レポートにつき 3,000円
以上